深田萌絵(著)|2022年6月24日発売|評価 4.6(530件)
世界的な半導体不足が続いた2020年代前半。 その裏側で何が起きていたのかを、 “産業構造”と“地政学”の視点から読み解いた一冊。
著者は、半導体企業や政府関係者への取材をもとに、 日本の産業が抱える弱点、そして世界の半導体覇権争いの構図を整理している。
内容は刺激的だが、 「半導体が産業の頭脳である」という事実を軸に、 日本の課題をどう捉えるべきか」 を考える材料として読める構成。
■ 1|本書のテーマは「半導体をめぐる世界的な権力構造」
本書が扱うのは、 単なる“半導体不足の原因”ではなく、
- どの国が半導体を握っているのか
- どの企業が世界のIT産業を支配しているのか
- 日本がなぜ競争力を失ったのか
- これからどう巻き返すべきか
という 産業地図の変化。
著者は、 「半導体は兵器・通信・自動車・家電すべての頭脳である」 という前提から、 国家レベルの争いとしての“半導体戦争” を描いている。
■ 2|本書の特徴:センシティブな情報を“構造”として整理
本書には、
- 海外メディアで報じられた情報
- 半導体企業幹部からの証言
- 業界の構造分析 などが含まれており、 内容は刺激的だが、 「何が事実で、何が著者の解釈か」 が比較的明確に分けられている。
読者は、 “著者の主張” と “構造的な事実” を分けて読み進められる。
■ 3|章ごとのポイント(要点だけ整理)
第一章|ITへの無知が日本を亡ぼす
日本がIT・半導体の重要性を軽視してきた歴史を整理。
第二章|5Gをめぐる暗闘
通信インフラをめぐる米中対立と、 ファーウェイ問題の背景。
第三章|半導体業界を支配する闇社会
半導体サプライチェーンの複雑さと、 国家・企業の利害が絡む構造。
第四章|「半導体不足」のカラクリ
2020〜2022年の半導体不足がなぜ起きたのかを解説。
第五章|日本の半導体業界を破壊したのは誰か
日本企業が競争力を失った理由を歴史的に整理。
第六章|経済安全保障とは何か
国家が産業を守るための政策と、 日本が取るべき方向性。
■ 4|本書が示す“日本への提言”
著者は、 「日本は半導体を軽視しすぎた」 という立場から、以下の点を強調している。
- 産業の頭脳を外部依存すると国家リスクが高まる
- 経済安全保障は“技術の自立”が前提
- 日本企業はサプライチェーンの上流に戻る必要がある
- 国民の理解が政策を動かす
主張は強めだが、 半導体が国家戦略の中心にある という点は 多くの専門家も指摘している部分。
■ 5|こんな読者に向いている
- 半導体不足の背景を知りたい
- 世界のIT産業の構造を理解したい
- 日本の産業が抱える課題を知りたい
- 経済安全保障に興味がある
- 地政学 × 技術の視点で読みたい
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